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日本における乳がんリスクファクター分布の推移

その他の乳がんのリスクファクターの分布

初経や閉経、出産・授乳などの女性ホルモンに関する履歴や乳がん家族歴などは乳がんの確立したリスクファクターですが、国民健康・栄養調査ではこれらのデータは収集していません。これらの要因は、今後の日本人の乳がん罹患率が増加するかどうかを予測する重要な要因ですが、世代とともにどう変わっているのかについてはなかなか調べられておりません。そこで、私たちはインターネット調査で、日本人女性におけるこれらの乳がんリスク要因の分布を明らかにする研究を行いました。対象者は、全国の満20歳以上70歳未満の女性のインターネットユーザーで、ネットリサーチ会社のモニターを利用しました。平成17年国勢調査による全国の人口構成にあう形で年代、居住地域で募集を行い、2002人の有効回答数を得ました(調査期間は2008年2月15~20日)。調査項目は、身長、体重、初経年齢、閉経状況、閉経前の経口避妊薬の利用、閉経後のホルモン剤の利用、出産経験、乳がん家族歴、生活習慣等などです。

図6-9に、生年別のリスクファクターのトレンドを示しました。先ほどのグラフとは逆に、高齢者が左側に来ていることに注意してください。初経年齢は近年になるにしたがって若くなり、自然閉経については明らかな傾向が認められず、初産年齢については近年になるにしたがって高くなる傾向があり、身長は高くなる傾向にありました。図には示していませんが、近年になるに従い、子どもを産まない女性の割合は増える傾向にありました。これらのデータは、今後も乳がん罹患が増える可能性があることを示しているといえるでしょう。