乳がん患者コホート研究
研究の紹介
1. 研究の全体像
この研究は、大別すると、CSPORとの共同研究であるコホート05〜07、国立がん研究センターでの日常診療のなかで実施しているコホートNCC、リンパ浮腫の妥当性研究となります。
2. 各研究の概要
コホート05
- CSPOR(財団法人パブリックヘルスリサーチセンターがん臨床研究支援事業)で行われているN-SAS BC05(閉経後乳がんの術後内分泌療法5年終了患者に対する治療終了とアナストロゾール5年延長ランダム化比較試験)との共同研究として実施しています。
- 術後5年経過時点の患者さんに協力をお願いしていて、登録時に1回質問票に回答していただいています。
- 患者さんの予定登録数は2,500人で、2007年11月から登録を開始しています。
コホート06
- CSPOR(財団法人パブリックヘルスリサーチセンターがん臨床研究支援事業)で行われているN-SAS BC06(レトロゾールによる術前内分泌療法が奏効した閉経後乳がん患者に対する術後化学内分泌療法と内分泌単独療法のランダム化比較試験)との共同研究として実施しています。
- 術前の患者さんに協力をお願いしていて、登録時に1回、術後すぐに1回、術後1年目に1回の計3回、質問票に回答していただいています。
- 患者さんの予定登録数は1,700人で、2008年5月から登録を開始しています。
コホート07
- CSPOR(財団法人パブリックヘルスリサーチセンターがん臨床研究支援事業)で行われているN-SAS BC07(HER2陽性の高齢者原発性乳がんに対する術後補助療法におけるトラスツズマブ単剤と化学療法併用に関するランダム化比較試験)との共同研究として実施しています。
- 術後すぐの患者さんに協力をお願いしていて、登録時に1回、術後1年目に1回の計2回、質問票に回答していただいています。
- 患者さんの予定登録数は500~700人(N-SAS BC07 RCT参加者300人、N-SAS BC07観察研究参加者200~400人)で、2009年10月から登録を開始しています。
コホート瀬戸内
- NPO法人瀬戸内乳腺事業包括的支援機構で行われているSBCC(瀬戸内乳がんコホート研究)との共同研究として実施しています。
- 術前の患者さんに協力をお願いしていて、登録時に1回と術後1年後、2年後、3年後、5年後の計5回、質問票に回答していただいています。
- 患者さんの予定登録数は2,000人で、2013年2月から登録を開始しています。
コホートNCC
- 臨床試験とは独立して、日常診療のなかでもコホート研究を実施しています。
- NCC(国立がん研究センター)中央病院で手術を受ける乳がん患者さん全員が対象です。
- 術前の患者さんに協力をお願いしていて、登録時に1回と術後1年~5年間毎年1回の計6回、質問票に回答していただいています。
- 質問票に加えて、血液とがん組織も患者さんに提供していただいています。
- 患者さんの予定登録数は1,000人で、2010年11月から登録を開始しています。
- コホートNCCの特徴として、1施設で手術が行われる乳がん患者さんのほぼ全数をコホート研究に登録することが可能であること、血中バイオマーカーや遺伝子多型と予後との関連の検討ができることなどがあげられます。
リンパ浮腫妥当性研究
- 上記すべてのコホート研究では、患者さんのリンパ浮腫についても調べています。
- リンパ浮腫の自己診断(ステージと重症度)の質問票を作成して、リンパ浮腫の頻度や発生・悪化の原因、適切な治療が受けられているかなどを調べます。
- 東京と大阪の乳腺クリニックとリンパ浮腫専門クリニックで実施しています。
- 患者さんの予定登録数は200人で、2009年10月から登録を開始しています。