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1. 研究の目的

乳がんの手術後、リンパ浮腫などの慢性痛が起こることが知られています。しかし、リンパ浮腫についての標準化された診断規準や定義、尺度が存在していないため、どのくらいの割合で発症するのか、どのような患者さんが発症しやすいのか、発症や悪化を防ぐにはどのようなことに気をつければいいのかについてのエビデンス(科学的根拠)は十分には得られていません。

そこで、わたしたちは乳がん患者さんがご自身で症状をチェックできるリンパ浮腫診断のための質問票を作成し、「乳がん患者コホート研究」で使用することとしました。

この「リンパ浮腫診断のための自記式質問票の作成と妥当性の検証」研究では、作成した質問票が実際の診断とどのくらい一致するかを調べます。質問票の有用性が確認できれば、今後、患者さんご本人により、簡便にリンパ浮腫のセルフチェックを行うことができ、悪化する前の早い段階で診断が行えるようになります。

さらに、リンパ浮腫が日常生活に与える影響についてもお尋ねし、患者さんの支援に役立てていく予定です。

2. 研究の対象と方法

わたしたちは、リンパ浮腫の症状を患者さんご自身でセルフチェックすることを可能にし、また発症や悪化の予防に役立てるために、この研究を企画しました。

この研究では、乳がん患者さんにご協力いただき、患者さんご自身による診断用の質問票への回答と、担当医師および看護師による診断によって、術後の腕の状態について把握していきます。担当医師および看護師による診断は、通常の診療で行われている、メジャーを使った腕の周囲の計測と、水を入れた専用のフラスコを使った腕の体積の測定によって行います。質問票への回答と、担当医師および看護師による測定の値を比較することによって、質問票でどのくらい正確に診断を行えるかを明らかにします。

この研究では、東京と大阪の研究参加施設で乳がんの手術を受けた患者さんに、研究へのご協力をお願いしています。予定登録数は300人で、研究期間は2010年からの4年間(登録2年、追跡2年)を予定しています。